研究書 monograph

ジョン・クレア名詩選

著者
鈴木蓮一 編訳
ジョン・クレア名詩選
規格
規格A5判/400頁/定価\3,850円(本体3,500円+税10%)
ISBN
978-4-269-82054-8
ジャンル
レベル
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失われつつある〈自然〉を五感すべてによって感じ、自然界の動植物がもつそれ自体の価値を尊重し叙述する鋭い詩的感性と時代を先取りした想像力、それがジョン・クレアである。

二〇〇四年の『ジョン・クレア詩集』(英宝社)刊行後、訳者が他の重要な詩もできるだけ多く翻訳したいと思い、本書が完成した。

クレアは、今日、イギリスの最も重要な詩人であると評価されている。クレア研究は近年ますます盛んになっており、優れた研究書やクレア研究を含めた研究書が次々と出版されている。これらの研究成果によって、現代のエコロジー思想の原点ともいえるラディカルな環境思想と、同時に民衆への共感に基づくラディカルな政治・社会思想を産み出す想像力をもった「多才で」(versatile)「多作な」(prolific)この天才詩人の全体像が今まさに少しずつ解明されつつある。

本訳書の目的は、クレアという詩人が今まで以上に読まれ、彼の詩の愛好者と研究者を増やすことである。そのため、注釈に関しては、とくにクレアを読み始める学生や研究者にとって彼の詩の理解が深まるよう配慮した。訳出においては、原文の趣意を正確に表現した訳文を目指すことを第一義とした。この訳詩書においては、主として次の三つの理由で45編の詩を選んだ。 第一は、クレアのすべての詩の中で最も重要な特質であると考えられる、現代のエコロジー思想に通底する洞察を表現している環境詩であること。

第二は、クレアにおける、①詩の永遠性と想像力の永遠性の関係、②詩的想像の世界と現実社会の相克、③〈喜び〉の喪失と〈自然〉の治癒力の関係、④階級社会と政治にたいする、民衆への共感に基づく批判、⑤〈時間〉と永遠世界としての楽園喪失、⑥メアリーへの恋愛感情とわが子への愛情、などを表現していること。

第三は、英語圏でクレアに関する研究書及び論文において論考されていること。 選んだ詩をクロノロジカルに配列したのは、それがそれぞれの時期における主題についてのクレアの意識と詩想の特徴における変化をよく表わすと考えたからである。

書籍内容 Contents

クレア年譜

初期の詩(一八〇四―一八二二)

中期の詩(一八二二―一八三七)

後期の詩(一八三七―一八六四)

クレアの主要なテクスト及び研究書・参考書紹介