研究書 monograph

中世英文学の日々に ―池上忠弘先生追悼論文集―

著者
チョーサー研究会/狩野晃一 編
中世英文学の日々に ―池上忠弘先生追悼論文集―
規格
A5判/248頁/定価3,080円(本体2,800円+税)
ISBN
978-4-269-72156-2
ジャンル
レベル
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中世英語英文学研究において多大な業績を残した池上先生に捧げる十五の論文集。チョーサー研究会は、どのような人にも広く間口を開けて、チョーサーに限らず、古英語・中英語・近代英語・現代英語の言語と文学、歴史、美術に関する研究発表や講演を行ってきた。英語やその文学だけでなく、ヨーロッパ全体も見ておく必要があるし、歴史や文化も広く知らなければいけないという池上先生の言葉どおり、ここに集められた多様な視点を盛り込んだ論考群は、まさに池上先生の理想とされるチョーサー研究会のあるべき姿を表している。

書籍内容 Contents

Intoxicating Drinks in Old English(石黒太郎)

Bells Ringing for Helen and Criseyde(春田節子)

チョーサーの'Pardoner's Tale'とその周辺----免償符and/or免罪符(多ヶ谷有子)

チョーサーとオウィディウス----Chaucer: 'The Legend of Thisbe'の典拠利用から(笹本長敬)

「バースのおかみの話」における不条理は解決されたのか----古典作品引用との関連を中心に(狩野晃一)

Revisiting Hoccleve and Isidore of Seville(杉藤久志)

聖人伝を読む----聖人伝の女性たち(池上惠子)

Fairies in the Middle English Romance Sir Orfeo as the Daoine Maithe of Irish Folk Tales(有坂夏菜子)

"Chevalier sans cheval"----Tryamourの馬の死に対する無関心について(貝塚泰幸)

Ipomydon (B)とそのWynkyn de Worde版の「初期R消失」を示すライム(池上 昌)

ヘルシンキコーパスの後期中英語から初期近代英語における二項句の変遷----テキストタイプ、頻度、語源の観点から(谷 明信)

A New Approach to the Manuscripts and Editions of The Canterbury Tales: With Special Reference to Thynne's Edition(地村彰之)

"The Three Ravens" (Child 26)と 異版 "The Twa Corbies" にみる、民衆の視点(原田英子)

試論:ジョージ・エリオットのジェフリー・チョーサー作『カンタベリー物語』「騎士の話」の受容----心の語り:思想文学的語りと東洋仏教異文化の自然観(高野秀夫)

「ラブ・ソング」の系譜 II----都市の「ソング」と黒死病(小倉美加)