シェイクスピアの劇中でヘンリー六世やハムレット、マクベス、オセロー、ポーシャやジュリエット、オフィーリアやデズデモーナらがここぞというところで観客に向かって語りかけるとき、彼らの言葉は三回のくり返しで圧倒的に観客の耳に迫る。本書は「三度のくり返し」の表現に着目し、言葉の大海(あるいは大宇宙)と言えるほどの膨大なセリフの中で、この手法がいかに効果的に用いられているかを分析した。読者は役者になったつもりで声に出し朗読することで「名セリフ」を楽しんでもらいたい。
Ⅰシェイクスピアの歴史劇における三度のくり返し
「ヘンリー六世 第一部」
「リチャード三世」
「ヘンリー五世」
Ⅱシェイクスピアの喜劇における三度のくり返し
「ヴェニスの商人」
「夏の夜の夢」
「十二夜」
Ⅲシェイクスピアの悲劇における三度のくり返し
「ハムレット」
「オセロー」
「マクベス」
Ⅳシェイクスピアのロマンス劇における三度のくり返し
「ペリクリーズ」
「冬物語」
「テンペスト」
シェイクスピア作品年代表
V 聖書における三度のくり返し
旧約聖書・新約聖書一覧
聖書の生い立ち
参考文献
あとがき
索引