トロイルスとクリセイデ
--付・アネリダとアルシーテ
- 著者
- ジェフリー・チョーサー 作 笹本長敬 訳
- 規格
- 菊判/296頁/定価(本体3,400円+税)
- ISBN
- 978-4-269-82033-3
- ジャンル
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- 他
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「英詩の父」チョーサーの最も野心的な、最大の完成作
中世イギリスのみならず中世ヨーロッパの恋愛物語詩の白眉
ジェフリー・チョーサーの傑作『トロイルスとクリセイデ』の新訳
宮廷風恋愛の作法に則ったトロイルスとクリセイデの愛はトロイア戦争が運命となって引き裂かれる、原因はそれだけではない・・・中世的に変貌した物語は詩人の巧みな性格描写で心理小説風に展開する
書籍内容 Contents
トロイルスは両腕にクリセイデをしっかりと抱きしめて、言った。
「ねえ、愛しい人よ、おれの望み通り、今君はおれの掌中にいる、今おれたちは二人だけだよ。もう観念しなさいよ、他に道はないのだから!」それに対してクリセイデはすぐにこう答えた。「若様、ずっと前に従おうと決めていなければ、わたし、きっと、今ここにいませんわ!」
(『トロイルスとクリセイデ』3.1205-11)