研究書 monograph

英語音声学要説

著者
清水克正著
英語音声学要説
規格
A5判/224頁/定価(本体3,000円+税)
ISBN
978-4-269-77059-1
ジャンル
レベル
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言語の研究は、音声、文法および意味の領域に分けられるが、その中で音声の研究は基本である。人がどのように言語音を作り出し聴き取るかはコミュニケーションの根幹であり、その間に介在するのは音声であるから、英語音声の詳細について理解し母国語との相違を理解することは極めて重要となる。本書はこうした目的から、英語の音声の構造や音響的な特徴、学習の理論および日本語との相違などを中心に、学部生、大学院生および英語教育に従事する教育者を対象にした入門概説書として書かれたものである。音響分析機器を用いた精緻な研究成果等も取り入れた。

書籍内容 Contents

第1章 音声学の研究

1.1 音声学とは 

1.2 言語研究における音声学の役割

1.3 研究対象としての音声

1.4 音素と異音

1.5 音韻論

1.6 母音と子音

1.7 音声記号

第2章 調音器官

2.1 発声とその機構

2.2 調音器官の名称とその機能

2.3 調音に関係する気流

2.4 音源

2.5 声帯

第3章 英語の母音

3.1 英語の母音

3.2 母音の記述

3.3 英語母音の記述と発音

3.4 英語母音のチャート

3.5 英語母音の音声記号

3.6 二重母音

3.7 /r/が後続する母音

3.8 母音の変化

第4章 英語の子音

4.1 英語の子音

4.2 調音点

4.3 調音法

4.4 子音の記述

4.5 英語子音の名称

第5章 音声の結合と変化

5.1 語頭の2つの子音連鎖

5.2 語頭の3つの子音連鎖

5.3 英語の母音に関する結合上の制限

5.4 日本語に存在しない英語の音声結合

5.5 音声環境における変化

5.6 米語に特徴的な音声変化

第6章 音節・強勢・リズム

6.1 音節とは

6.2 音節数

6.3 音節の構造

6.4 強勢とは

6,5 強勢音節の音声的特徴

6.6 強勢の位置

6.7 複合語の強勢

6.8 文強勢

6.9 言葉のリズム

6.9。1 リズムの問題点

6.9.2 リズム形成における弱化母音

第7章 イントネーション

7.1 イントネーションとは

7.2 イントネーションの表示

7.3 イントネーションとその文法機能

7.3.1 イントネーションのパターンとその機能

7.3.2 イントネーションによる意味の対比

7.4 イントネーションの学習

第8章 音響音声学

8.1 音響音声学の基礎

8.2 音声分析の基礎

8.2.1 基本的用語

8.2.2 音源と声道

8.3 母音の音響的特徴

8.4 基本周波数

8.5 子音の音響的特徴

9章 日英語の閉鎖子音:発声タイプ

9.1 閉鎖子音について

9.2 語頭における閉鎖子音

9.3 語中における閉鎖子音/t - d/

9.4 語末にpける閉鎖子音

第10章 英語の流音/r - l/

10.1 英語/r - l/について

10.2 /r- l/の音声的特徴

10.3 /r - l/の聴き取り

10.4 /r - l/の学習

第11章 日英語における母音:音響的特徴と学習

11.1 母音の学習

11.2 英語母音の学習上の問題

11.3 実験の手順

11.3.1 参加者

11.3.2 録音資料

11.3.3 音響分析

11.4 実験結果

11.4.1 日本人学習者(男性)の分析結果

11.4.2 日本人学習者(女性)の分析結果

11.5 考察

第12章 日英語の音声比較

12.1 日英語の音声体系の比較

12.2 日本人学習者の発音上の特質

12.3 日本人学習者の発音上の問題点

12.4 音声指導について

12.4。1 音声指導の方向

12.4.2 Bottom-up Top-downについて

12.4.3 Bottom-up Top-downの調和

第13章 英語音声学習と理論的考察

13.1 英語音声学習の背景

13.2 L2音声学習の問題

13.3 音声学習における発話と知覚の関係

13.4 日英語における母音の発音

13.5 日英語における閉鎖子音の発音

13.6 母語からの干渉とL2学習理論

第14章 英語の音韻論

14.1 音韻論とは

14.2 音素の設定に関する問題

14.3 英語における音声現象

14.4 形態素レベルでの音声変化の規則性

14.5 音声変化の要因

14.5.1 音声変化の二つの要因

14.5。2 調音上の要因

14.5.3 知覚上の要因

14.6 弁別的素性

14.7 最適性理論

第15章 国際共通語としての英語

15.1 国際社会における英語

15.2 英語の多様性

15.3 多様性の要因

15.4 英語の共通語性

15.5 国際英語における発音モデルについて

参考文献

索引