研究書 monograph

文法における話し手の様相

著者
北林利治 著
文法における話し手の様相
規格
A5判/216頁/定価2,520円
ISBN
978-4-269-77043-0
ジャンル
レベル
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書籍内容 Contents

はしがき

序章 言語表現における話し手の地位
1. 言語における2つの表現様式
2. 本書の3つの問い
 2.1 1つ目の問い
 2.2 2つ目の問い
 2.3 3つ目の問い
3. 選択の主体者としての話し手
4. 本書の構成

第1章 原因と結果の表現における話し手の3つの側面
1. はじめに
2. 文における話し手の役割
 2.1 話し手の3つの側面
 2.2 記述文と判断文
3. Because節の3分類法
4. 発言者のみが関与する原因・結果の表現
5. 認識者が関与する原因・結果の表現
 5.1 典型的な認識接続の場合
 5.2 従属節が判断文の場合
 5.3 認識接続と理由の類似
6. 言語行為者が関与する原因・結果の表現
 6.1 言語行為接続の典型例
 6.2 言語行為接続と話し手の判断
7. むすび

第2章 話し手の諸相
1. はじめに
2. 因果関係についての再考
 2.1 判断文と因果関係
 2.2 原因の明示化と非明示化
3. 話し手の位置づけについて
 3.1 発話者としての役割を持つ話し手
 3.2 表現様式の選択者としての話し手
4. コミュニケーション行為としての判断の表現
 4.1 It goes without saying をめぐって
 4.2 メタコミュニケーションのサイン
5. 話し手の選択としての言語表現
 5.1 言語表現の選択者としての話し手
 5.2 2つの表現様式と話し手
6. むすび

第3章 判断文と記述文の間
1. はじめに
2. 判断文から記述文へ
 2.1 1つ目の方法
 2.2 もう1つの方法
3. I think の2つの意味
 3.1 同時通訳のデータから
 3.2 意見を表明する言語表現としての I think
 3.3 緩和表現としての I think
4. I think の2つの意味の成立とその用法
 4.1 I think の2つの意味
 4.2 I think のコミュニケーション上の用法
5. 「〜気がする」と2つの表現様式
6. 言語の好みと表現様式
 6.1 日英比較と言語の好みの傾向
 6.2 否定表現と2つの表現様式
7. むすび

第4章 視覚表現をめぐって
1. はじめに
2. 判断の表現と視覚表現の類似性
3. 視覚行動そのものを表現している場合
4. 見えの諸相
5. 眼前の見えの表現ー話し手が登場しない場合
6. 1人称としての話し手の登場
 6.1 叙述の力を示すものとしての話し手の登場
 6.2 注視点の焦点化としての視覚表現
7. 視覚表現における2つの表現様式と話し手の役割
8. むすび

第5章 視覚表現における転位
1. はじめに
2. 時間と場所の転位
 2.1 日本語と英語のテクストにおける見えの表現
  2.1.1 「見える」が用いられている表現
  2.1.2 偶然確定条件の表現
 2.2 「見える」が用いられている表現と偶然確定条件の表現
 2.3 日英語における時間と場所の転位
3. 人称による転位ー3人称における描写
4. 視覚表現における2つの表現様式
 4.1 英語における視覚表現の客観化
 4.2 英語における客観様式の表現の特徴
 4.3 視覚表現の2つの表現様式ー日英比較
 4.4 視覚表現の様式と日英の特徴
5. むすび

第6章 描写表現における話し手による判断の挿入
1. はじめに
2. 話し手の役割と描写表現
3. 事実から判断への流れ
4. 日本語における判断・感想を挿入する2つの型
5. 談話における話し手の判断や感想の挿入ー日英比較
5.1 事実として表現される場合
5.2 名詞を修飾する構造になっている場合
5.3 対応する英語において特殊な構文が用いられている場合
6. むすび

第7章 表現の様式と規範からの逸脱
1. はじめに
2. 命題領域と認識領域における接続表現
2.1 命題領域における接続表現
2.2 認識領域における接続表現
3. 命題領域における逸脱
3.1 時間的順序における逸脱
3.2 命題領域における because 節の逸脱
4. 認識領域におえける逸脱
4.1 認識領域における逸脱ー because 節の場合
4.2 認識領域における逸脱ー if 節の場合
5. 規範からの逸脱と文体離接詞
6. むすび

終章 まとめと残された課題
1. 選択の主体者としての話し手
2. 2つの表現様式と談話の分析
3. 書き言葉と話し言葉による描写
4. 結語ー3つの問いへの応答

参考文献
索引