研究書 monograph

記憶と対峙する世界文学

著者
臼井 雅美 著
記憶と対峙する世界文学
規格
46判/288頁/定価4,400円(本体4,000円+税)
ISBN
978-4-269-76024-0
ジャンル
レベル
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文学は記憶と対峙してきた。それは、文学が時代と共に生きてきたからである。

時代が移り変わり、社会が様々な変遷を遂げる中で、時代は記憶となり、その記憶は忘却の中に埋もれていく。現代に生きる作家たちもまた、この大波の中でもまれ、記憶と対峙する中で自らのストーリーを創り出している。

本書は、ルース・オゼキ、ジュンパ・ラヒリ、モーシン・ハミッド、東山彰良、多和田葉子、ヴィエット・タン・ウェン、韓江といった多岐的なバックグランドを持つ作家を精緻に論じた貴重な論文を収録した。

書籍内容 Contents

第一章 ルース・オゼキの『あるときの物語』
―太平洋と時を飛び越える輪廻

第二章 東山彰良の『流』
―台湾と愛おしき者達への限りなき賛歌

第三章 ジュンパ・ラヒリの『低地』
―ベンガルが抱えて来た悲しみの坩堝

第四章 モーシン・ハミッドの『コウモリの見た夢』と『西への出口』
―東から西へ、迷える地球人への応援歌

第五章 多和田葉子の『地球にちりばめられて』
―ボーダレスな時空に生きる言葉の旅人

第六章 ヴィエット・タン・ウェンの『シンパサイザー』
―虐げられた生を蘇らせる力学の誕生

第七章 韓江の『少年が来る』
―忘却という暴力から紡ぐ記憶