研究書 monograph

英文科の教養と無秩序

ー人文的知性の過去・現在・(未来?)ー

著者
舟川一彦 著
英文科の教養と無秩序
規格
46判/276頁/定価(本体2,600円+税)
ISBN
978-4-269-76003-5
ジャンル
レベル
--
--

英文科は消えるのか?
既存の学問秩序が徹底的に問い直される今、 これまで英文科を支えてきた理念は意味をもちうるのか? われわれのディシプリンが果たしうる役割は残っているのか? 故きを温ねて自分の足元を見つめ直してみよう。

書籍内容 Contents

一.ディシプリンが生まれる時ー英文学の場合
(ディシプリンの両義性/半人前のディシプリン/シンデレラ・サブジェクト/革命/プロの仕事/危機に立つディシプリン)

二.英文科の『教養と無秩序』
(非国民から公僕の檻へ/英文科の自己意識/守護聖人としてのアーノルド)

三.ヨーロッパの遺産、国民の伝統ーイギリス古典教育の英国的機能
(英語習得のためのラテン語教育?/カレッジ制ーイギリス大学の基礎体質/古典という教科/「リット・ハム」の成立/国教会のアリストテレス/プラトンと大英帝国の指導者像/近代著作家による例解/国民の伝統としての古典)

四.マーク・パティソンー不機嫌な大学人
(関心の不均衡/幻滅と弁解の人/十九世紀前半のオクスフォード/世紀後半のオクスフォード/『提案』の意味/リベラル・エデュケーションの宿命/パティソンの警告)

五.初めてのパティソン研究書

六.学生ジプシーの変容ーアーノルドと近代科学のアイロニー
(グランヴィルの重要性/アーノルドによる編集/牧歌の中の学生ジプシー/教訓詩の中の学生ジプシー/学生ジプシーとの訣別)

七.フライの『神話とメタファー』

八.「キリスト教文学」の逆説

九.文学部の「文学」ー英文科に入学した諸君へ
(限りなく透明に近い言語という幻想/学としての「文学」/読むための技巧)