研究書 monograph

神話のスパイラル−アメリカ文学と銃−

著者
花岡 秀 編著/中 良子/貴志雅之/辻本庸子/渡辺克昭/
神話のスパイラル−アメリカ文学と銃−
規格
四六版/260頁/定価2,940円
ISBN
978-4-269-73017-5
ジャンル
レベル
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銃と揺らぎの標的アメリカ
帝国アメリカと銃が織りなす逆説的な神話のスパイラル。硝煙に彩られた美徳の共和国の亡霊をも射程に入れ、 アメリカ的想像力の軌跡を斬新に読み解く。銃撃空間がテクスト空間と交錯するエクリチュールと銃の饗宴。

書籍内容 Contents

第一章 南部スモール・タウンと銃−「神話」の創造と崩壊
アメリカ南部と銃 /  「神話」の創造/崩壊と銃 /  隠蔽された「神話」と銃 /  機能を果たさぬ銃

第二章 公民権運動ナラティヴにおける銃
公民権運動と南部神話 /  神話のパラドクス(1) /  発射されない黒人の銃 /  神話のパラドクス(2) /  発射された匿名の銃・声 /  神話を貫通する銃

第三章 帝国支配の記号学−舞台の上の銃と他者
アステカ征服のキャノンボール /  黒人皇帝の「銀の弾丸」神話 /  黒人奴隷の逆襲 /  黒いリンカーン暗殺ショー /  戦争花嫁の銃弾 /  帝国神話のスパイラル

第四章 女たちの一撃
アニーの一撃 /  マーゴットの一撃 /  エヴァの一撃 /  ジェイニーの一撃 /  撃つ女たち

第五章 蘇る標的−デリーロ文学の弾道
アメリカの神話と「撃つ/写す」の射程 /  テクストを貫通する銃弾 /  ナチの崇高美学へのノスタルジア /  銃弾と錠剤 /  シミューラークルの暗殺 /  ザプルーダー博物館にて /  「左手のための挽歌」 /  神話のスパイラルからの脱却