研究書 monograph

アメリカ文学における階級

格差社会の本質を問う

著者
田中久男 監修 / 早瀬博範 編著
アメリカ文学における階級
規格
四六版/384頁/定価3,990円
ISBN
978-4-269-73003-8
ジャンル
レベル
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アメリカ文学研究の死角に迫る!
生まれながらにして「平等」を宣言するアメリカ。そこには「階級」がないというドグマがある。
だが現実は「階級社会」そのものであり、経済格差、人種・ジェンダーによる差別、地域的差異が複雑に絡み合っている。
精鋭な研究者たちが、アメリカ文学研究の盲点と欠落を埋める。

書籍内容 Contents

序論
アメリカ文学における階級 田中久男

産業主義・資本主義
エマソンと奴隷制度廃止運動 松島欣哉 /  米国産業主義の光と影 増崎恒 /  『サンクチュアリ』における産業主義 大地真介 /  愛か、金か? 早瀬博範

人種・エスニシティ
『七破風』の屋敷における「中産階級」の形成と人種問題 藤吉清次郎 /  ヘミングウェイと階級 光冨省吾 /  モーセになり損ねた男たちを語り継ぐ声 重迫和美 /  階級に抗して 水野敦子 /  主人公たちはなぜイタリアにいるのか 三重野佳子 /  ジョーゼフ・ヘラーが描くユダヤ体験 新田玲子

ジェンダー
『持つと持たぬもの』に見るヘミングウェイの階級意識 本荘忠大 /  労働者階級とホワイトネス 栗原武士 /  トニ・モリスンの『ジャズ』における階級と人種とジェンダー 渡部知美

地域性
スケープゴートの殺し方 赤山幸太郎 /  儀礼化された近代/近代化された儀礼 大野瀬津子 /  ナボコフのフォークナー批判 樋口友乃 /  芸術の形態をめぐる階級闘争 山野敬士