研究書 monograph

「岬」の比較文学

近代イギリス文学と近代日本文学の自然描写を巡って

著者
河村民部 著
「岬」の比較文学
規格
四六判/352頁/定価3,990円
ISBN
4-269-75023-5
ジャンル
レベル
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読者を魅力するトポスとしての「岬」の比較文学
『山頂に向かう想像力−西欧文学と日本文学の自然観−』に続く自然観の研究第二弾、 トポスとしての「山」から「岬」へと移行する鳥瞰的視点が見出す自然描写の特質は?

書籍内容 Contents

第1章 近代イギリス文学との対比で見る近代日本文学の自然とその描写
イギリス・ロマン派的自然観の受容と日本文学固有の自然観/紀行文/ワーズワスと谷崎潤一郎

第2章 一葉、紅葉、花袋、泡鳴、そして虎彦の自然観および自然描写
唐木順三「現代日本文学に於ける自然と道徳の問題についての史的考察」について/ 樋口一葉の小説における自然描写/ 尾崎紅葉『金色夜叉』における自然描写/ 自然主義小説家田山花袋の小説における自然描写/ 岩野泡鳴『毒薬を飲む女』に見られる自然描写/ 田宮虎彦『菊坂』と『童話』と『小さな赤い花』

第3章 「岬」の比較文学
イギリス文学に見る「岬」の行方/ 日本文学における「岬」/ E・M・フォースターの短編『岩』における「岬」/ トマス・ハーディー『青い目』と田宮虎彦『足摺岬』に見られるエロスとタナストのトポスとしての「岬」/ トマス・ビュウィック『英国鳥禽史』とシャーロット・ブロンテ『ジェーン・エア』