研究書 monograph

テクストの地平

ー森晴秀教授古稀記念論文集ー

著者
富山太佳夫 加藤文彦 石川慎一郎 編
テクストの地平
規格
A5判/596頁/定価6,300円
ISBN
4-269-75020-0
ジャンル
レベル
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書籍内容 Contents

まえがき

1 テクストの自立−近代文化の中のテクスト−
日本文学の蜘蛛たち−アメリカ文学の視点から− 岩瀬悉有
目隠しされた正義の女神−『尺には尺を』で計られる交換の結末− 団野恵美子
ミルトンの自然観−ワーズワスとの接点の一考案− 辻 裕子
輪郭をなぞるブレイクの源泉 中山 文
反乱のスコットランド−ジャック大佐とエドワード・ウェイリバー− 服部典之
視点としての一人称の語り手−スコットの『ロブ・ロイ』について− 米本弘一
ジェイン・オースティンの『エマ』における「神経の不調」−健康なヒロインをとりまく環境− 中村裕子
豊饒なる亀裂−ジョージ・エリオットの『ダニエル・デロンダ』分析− 武田美保子
「深淵のドーム」−エミリィ・ディキンスンの空間詩学− 下村伸子
ヘンリー・ジェイムズ『ロデリック・ハドソン』の語り手の不安−一人称と他者性− 竹井智子
詩の言葉・小説の言葉−コーパス処理に基づくトマス・ハーディのテクスト構成語彙の分析− 石川慎一郎
小説のレトリックと宇宙観−トマス・ハーディの『はるか群衆を離れて』をめぐって− 清水伊津代
J・ヒリス・ミラーの批評再考−ハーディの詩「引き裂かれた手紙」をめぐって− 玉井 暲

2 テクストの変容−近代から現代へ−
空虚と壁−ゾラ『獲物の分け前』におけるモードとテクスト− 吉田典子
書く自己と書かれる自己−自伝として読むアリス・ジェイムズの日記− 舟阪洋子
注意深いゆえの幸福−プルーストの色彩をめぐって− 上坂妙子
コンラッドの『闇の奥』−その死の匂い− 笹江 修
漱石の『木屑録』と海水浴 仙葉 豊
弱さの成熟−フォースターの核心− 小野寺健
バージニア・ウルフの『波』について−ヴィジョンの展開と集約− 折出典子
ヴァージニア・ウルフの表現−新しい文学への二つのアプローチ− 幸重美津子
ロレンスとシェーファーの共通点−社会とその神々− 中田智子
ロレンスと絵画テクスト−メディアの受容についてインタテクスチュアルに読む− 河野哲二
「母親殺し」神話としての『息子と恋人』 井上義夫
『イタリアの薄明』の最終章「戻り旅」を読む−エグザイル=D・H・ロレンスはどこに戻ったのか− 吉村宏一
D・H・ロレンスとホラチウス−ロレンスの『オード』受容− 倉持三郎
トールキン作品における「堕ちた者」たち 田渕桂子
「都市の感受性」−フィッツジェラルド『偉大なるギャッツビー』の一面− 植田和文
解凍される映像−ヘミングウェイ「殺し屋」とその映画化− 西谷拓哉
テネシー・ウィリアムズの戯曲作品『不死鳥は叫ぶ われ炎のなかにおきてり、と』についての一考察 −D・H・ロレンスを主人公とした一幕物の戯曲− 太田眞理
ふてくされて−イーヴリン・ウォーの戦争文学− 富山太佳夫
カトリック文学とは何か−超自然的世界の言語化− 野谷啓二
文学テクストと音楽テクスト 深澤 俊

3 テクストの拡張−現代文化の中のテクスト−
ネグリチュードとジェンダー−エメ・セゼールとシュザンヌ・セゼールの関係を中心に− 森あおい
ラーナ・レイコ・リズトの描く記憶−『彼女の去った理由』を巡って− 桧原美恵
カズオ・イシグロの文体−余韻と情感を生み出すイシグロ作品の特徴− 山内啓子
ケネス・ブラナーは『ハムレット』の独白をどう撮る/語るか−シェイクスピア映画における台詞の問題− 小山田淳子
英語テクストにおける性差の表れ−コーパス分析からの考察− 石川有香
色彩・色名・色彩表現の効果と重層的二重構造−補色の効果と色彩の深層構造− 吉村耕治
会話のスタイル−小説中の会話をめぐって− 豊田昌倫

4 森 晴秀教授業績一覧
七十にして矩をこえられず
業績一覧

あとがき
執筆者一覧