孤高の詩人による存在をめぐる省察の全貌
「ロマン主義もリアリズムも、高踏も通俗も、バロックもロココも、センチメンタルな少女趣味も醒めた大人の省察も混在しつつ、相対の中にあることの宿命を知りながら絶対(超越)を遠望して止まなかった一個の自意識(本書「あとがき」より)」が紡ぎ出す「知的叙情」・・・書簡を精査し、ホイットマンとの対比を交えつつ、ディキンスンの人と作品の核心に迫る。
第1章 略伝 "My life has been too simple and stern to embarrass any"
第2章 ディキンスンの詩について
第3章 「涼しい頭」と「熱い心」−初期書簡を読む−
第4章 ディキンスンと近代
第5章 ある詩人の書簡
第6章 略伝 "Lifes of the field" -新発見のディキンスン原稿をめぐって-
第7章 Private Poetの遺産−原稿をめぐる諸問題−
第8章 "Called Back"−管見・晩年のディキンスン−
第9章 ホイットマンとディキンスン
第10章 "We meet no Stranger but Ourself"−現象としての「私」と理念としての「私」−