アメリカの今、主体は?
急速な情報の増大と断片化が、重要なパラダイム転換を迫っている。ポスト・ポストモダンの現在、アメリカ文学は人間をどう扱い表象しているか。身体は?ジェンダーは?エスニシティは?
序章 ポストモダニティにおける主体と倫理−言語論的転回から倫理的転回へ−
伊藤貞基
第1章
ポストモダンを目撃するということ−「小説の死」再考−
石割隆喜
第2章
船乗りと海賊とアーティスト−キャシー・アッカーの身体という言語−
伊藤聡子
第3章
父を失った欲望の動物化−『フロリック・オブ・ヒズ・オウン』における主体と責任−
木原善彦
第4章
メディア、ジェンダー、パフォーマンス−『ボディ・アーティスト』における時と消滅の技法−
渡辺克昭
第5章
ポストモダニズムの終焉と物語の復権−オースター『幻想の書』における主体と身体−
秋元孝文
第6章
食卓のポリティックス−スマイリー『千エーカー』における大地と身体−
難波江仁美
第8章
「他者」の主体獲得−ヒロミ・ゴトウの『キノコの合唱』における「現代の民話」−
桧原美恵
第9章
「型」としての身体−『パラダイス』における主体認識の変容−
戸田由紀子
第10章
歴史の書き直しと主体の表象−レスリー・マーモン・シルコウ『砂丘の庭』−
馬場美奈子
第11章
ポストモダニズムの終焉とアメリカ詩のゆくえ−アシュベリとスナイダーにみる主体と身体−
古賀哲男
第12章
パフォーマティブな主体、主体をめぐるパフォーマンス−D・H・ホワン『ボンテージ』のポリティクス−
山本秀行