序章
第1章 キリスト教世界と自殺観−その劇化をめぐって− 吉田幸子
1. 自殺禁止の古典の典拠−ギリシャ・ローマ古典時代と初代教父時代
2. 教会会議の禁止令
3. 中世演劇における自殺の表現
4. 宗教改革と演劇における自殺
第2章 トマス・モアの自殺観
−『ユートピア』と『苦難に対する慰めの対話』を中心に− 久野幸子
1. はじめに
2. 『ユートピア』における安楽死について
3. 『慰めの対話』における自殺禁止論
4. 自殺禁止論及び『慰めの対話』の意味するもの
5. おわりに
第3章 フランチェスコ・スピエラの絶望と近代初期の自殺観 齋藤美和
1. スピエラ物語とその受容
2. 宗教的絶望
3. 滅びの鑑
第4章 十七世紀市民の自殺−ブロードサイド・バラッドとブロードシートの自殺− 岡村眞紀子
1. 歌われた自殺−ブロードサイド・バラッドの自殺
2. 報じられた自殺−ブロードシートの自殺
3. 救済の絶望と堕罪の絶望−絶望と自殺
あとがき
索引
執筆者紹介