まえがき
巻頭言
文献一覧
第1章 ギッシングの生涯(ジェイコブ・コールグ)
第2章 没後100年間におけるギッシング批評の進展(ピエール・クスティヤス)
第3章 『無階級の人々』 (倉持晴美)
作品の梗概
不幸を見据える
(1)時代の基調音を描く /
(2)女性の窮境と不幸な結婚 /
(3)ゆらぐキリスト教信仰 /
(4)スラムの実態 /
(5)現実と夢の対照 /
第4章 『ネザー・ワールド』 (倉持三郎)
作品の梗概
どん底に住む人々
(1)『ネザー・ワールド』の背景 /
(2)貧しい労働者の生活 /
(3)労働者の個性の発見 /
(4)運命のいたずら /
(5)一隅を照らす /
第5章 『三文文士』 (松岡光治)
作品の梗概
貧乏作家はうだつが上がらない
(1)芸術家の疎外 /
(2)実利主義、理想主義、現実主義 /
(3)下層中流階級と自己欺瞞 /
(4)ギッシングの教育観 /
(5)人間を堕落させる貧困 /
第6章 『流謫の地に生まれて』 (金山亮太)
作品の梗概
汝再び故郷に帰れず−−突然変異か形質遺伝か
(1)分身を描くということ /
(2)ゴドウィンは突然変異種なのか /
(3)生まれ (nature) より育ち (nurture) は勝るのか /
(4)自己欺瞞の罪と罰 /
(5)汝再び故郷に帰れず /
第7章 『余計者の女たち』 (武田美保子)
作品の梗概
狂気の遊歩者−−身体記号としてのモニカ
(1)都市を彷徨する女遊歩者 /
(2)優生学的「自然らしさ」の言説 /
(3)医科学と記号的身体 /
(4)ヒステリー症の身体を読む /
(5)ギッシングの内なる二重基準 /
第8章 『埋火』 (小宮彩加)
作品の梗概
"Carpe Diem!"−−『埋火』の選択
(1)『埋火』という作品について /
(2)過去か現在か /
(3)ギリシャからイギリスへ /
(4)オマーリアンのギッシング /
(5)唯一の現世謳歌主義作品 /
第9章 『渦』 (太田良子)
作品の梗概
ギッシングと姦通小説
(1)独身か,結婚か /
(2)屋敷か,フラットか /
(3)働くべきか,働かざるべきか /
(4)家庭か,キャリアか /
(5)貞節か,姦通か /
第10章 『イオニア海のほとり』 (並木幸充)
作品の梗概
ギッシングの「詩と真実」
(1)『イオニア海のほとり』執筆の背景 /
(2)ギッシングの「イタリア紀行」 /
(3)静寂と喧騒をめぐって /
(4)『ヴェラニルダ』への序曲 /
(5)「詩と真実」 /
第11章 『ヘンリー・ライクロフトの私記』 (加藤憲明)
『ライクロフト』に見る新たなる自己
(1)『ライクロフト』の位置付け /
(2)啓発と解放 /
(3)自然と自己 /
(4)メランコリー /
(5)共鳴者としての役割 /
第12章 その他の長篇・中篇小説 (ジェイコブ・コールグ著:光沢 隆 訳)
(1)社会問題小説家としての出発 /
(2)社会問題からの一時的な後退 /
(3)再び社会問題へ /
(4)新たな試み−−中産階級の分析と中篇小説への挑戦 /
(5)死後に発表された小説 /
第13章 短篇小説 (八幡雅彦)
(1)ギッシングとシャン・F・ブロック /
(2)19世紀ロンドンの暗部を暴く /
(3)「理想」とは、流れ星のごときもの /
(4)敗北と欲求不満の中の「希望」 /
(5)時代を越え,国を越え,普遍的人間を描く /
第14章 ギッシングとディケンズ (小池 滋)
(1)個人的な回想 /
(2)若気ゆえの反撥 /
(3)『ディケンズ論』の内容紹介 /
(4)『ディケンズ論』再評価の試み /
(5)最後のディケンズ評論 /
第15章 ギッシング関連情報
(1)学術雑誌と国際会議 /
(2)ギッシング・トラストとギッシング・センター /
(3)『テキスト、書簡、古書、映画 /
(4)インターネット上のギッシング /
(5)日本におけるギッシング /
年譜
あとがき
索引
執筆者紹介