この書物の最大の特徴はその主題である。イギリスの宮廷仮面劇に読解を拒否された著者は40年後に再挑戦し、今までほとんど論じられたことのない主題と向き合うことになった。豊富な具体例を示しながら、説得力のある論理の展開で、問題の核心に迫っている。さらに、著者は、かつて著者を拒否したジョージ・チャップマンの作品を訳出して、読者のために仮面劇の見本を提供する。
1 作者の問題
宮廷仮醜は制作関係者たちの活動が相互に影響し合う総合芸術である
2 演劇空間の問題
見物席・舞台・装置・大道具などの仮説構造物について定説はない
3 行間読みの問題−版本の問題
宮廷仮面劇の行間は戯曲のそれとは比較にならないほど広い
−版本は行事の記念でり、記録であり、報道であった
4 芸術様式の問題
宮廷仮面劇はあらゆる点でバロック様式である
5 宮廷仮面劇の理解の限界−ジャンルの問題
宮廷仮面劇の理解は近似的でしかありえない−宮廷仮面劇は演劇ではない
邦訳チャップマンの仮面劇
付録
11604〜1641年に出版された宮廷仮面劇(抜粋)の一覧表 /
2台詞、大道具、衣装、踊り、音楽などの(作品中に言及された)担当者の総覧
作品
1 英語 /
2 日本語