コミュニケーションに役立つジェンダー 知識と総合的英語力を身に付ける
日本とアメリカの文化や社会を、ジェンダーを手掛かりに読み解きながら総合的な英語力を高めることを目的としたテキスト。専業主夫・主婦に関わる問題や独身者に対する差別、LGBT に関する課題などジェンダーの問題は生活の至る所に関わっていて、女性だけではなく男性にも大いに影響している。世界中で取り組まれているこの問題についての理解を深め新たな視点を得ることは日々の生活を送る上でも、また全く異なる文化圏で育った人たちと英語でコミュニケーションする際にも役に立つ。本書は男性学の権威である伊藤公雄氏と、映画とジェンダーを専門に研究する國友万裕氏が書き下ろしたエッセイを軸に構成されている。これらのエッセイでは様々なトピックが日本映画とアメリカ映画に言及する形で論じられており、ジェンダーについての考え方を深化させ、日本文化・社会とアメリカ文化・社会の比較考察ができる。扱われている映画を見ていなくてもその内容を理解できる構成なので、特に映画好きというほどではない学生にも本書は有用である。本書の構成
Pre-Exercise /映画の邦題は、英語を直訳に近い形で翻訳したものや原題とは関係なく映画の内容を示すものなど様々。タイトルが付けられた理由も考えながら映画の英語タイトルと日本語タイトルの結び付きを考える。 Exercise ①/穴埋め式のリスニングタスク。 Exercise ②/エッセイで使用される語彙に関するタスク。まずは辞書を使わずに、接頭辞や接尾辞、品詞などを手掛かりにして英語表現と日本語表現を結び付けてみる。 Exercise ③/エッセイ内容に関するTrue / False タスク。エッセイのどのあたりを見れば判断ができるのかを考えながら、True かFalse かを検討する。 Exercise ④/ Word Order のタスク。各章のトピックと関係した文を元に問題が作られており、エッセイの理解を更に深め、英語で議論する際にも役立つ内容が扱われている。 Exercise ⑤/ Writing / Discussion タスク。章の終わりまでに学んだ内容や英語表現などを活用して自らの考えをアウトプットする。Chapter 01 The Ideal Man(アメリカと日本における理想の男性像について考える)
Chapter 02 Toxic Masculinity(「男らしく」あることは有害?)
Chapter 03 Men and Household Chores(性的役割モデルの理想と現実)
Chapter 04 Ikumen and Fatherhood(英語圏の国では「イクメン」が普通の父親)
Chapter 05 Sports(スポーツにおける根性論とマッチョ崇拝とは)
Chapter 06 Fighting Men(「男らしさ」の象徴、「男らしい姿」とはどんなものか)
Chapter 07 Ikemen--Good-looking Men(日本とアメリカの「イケメン」の定義について考える)
Chapter 08 Artists(芸術家は女性的なイメージ?それとも男性的?)
Chapter 09 Otaku(日本とアメリカの「オタク」のイメージについて)
Chapter 10 Incel(世界的に広がる男たちのコミュニティ「インセル」とは)
Chapter 11 Racial Issues and Peer Pressure(同調圧力の強い日本社会にみられる問題とは)
Chapter 12 Romance(セクシュアリティ、パートナーシップについて)
Chapter 13 The Elderly(高齢者をジェンダーの視点で考察する)
Chapter 14 LGBT(日本における LGBT の現状や偏見とは)
Chapter 15 The Age of Diversity(民主的で多様性を認め合う共生社会を目指して)