推薦の言葉 森住衛 (大阪大学・桜美林大学名誉教授)
訳者が、原作に目をつけた慧眼に敬服したい。しばしば、「優れた翻訳者は、原作者と同等の知情意の持ち主で、それを他の言語に表せるという原作者以上の能力がある人」といわれるが、本書を読むとそのような感をいだくであろう。
On a Sea of Glass: The Life & Loss of the RMS Titanicは、数多あるタイタニック号に関する類書の中で、その事実性の確実さと話題の広さで、決定版といわれている。本書は、日本の読者にも原作の素晴らしさがわかるように、タイタニック号にまつわる事実に対する、精緻な調査や研究が行われ、日本人には馴染みが薄い文化の制度や施設、船舶用語などには適切な注がつけられている。この英国文化の本格的な歴史書・研究書・文学書を見事な日本語の作品に仕上げた訳者に敬意を表したい。
まえがき
プロローグ
第一章 伝説はこうして始まった
[主な登場人物]
1.熾烈な旅客船競争
2.姉妹船の建造始まる
3.タイタニック号誕生のキーパーソン
4.タイタニック号の進水式
5.豪華な船内
6.オリンピック号の改良点
7.救命ボートとダビット
8.タイタニック号の艤装
9.タイタニック号の航海士と乗員
10.アイリッシュ海での試運転
11.サウサンプトンへの回航
12.炭鉱ストライキ
13.処女航海に向けて
14.航海士の職位変更
15.処女航海前夜
[注]
第二章 順調な航海
[主な登場人物]
1.航海初日 一九一二年四月一〇日水曜日
1.出航の朝 2.臨港列車 3.一等客室の乗客 4.二等・三等客室の乗客 5.船内見学客 6.ペウチェン少佐とその仲間 7.出航----さらばサウサンプトン 8.ニューヨーク号との衝突回避 9.ワイト島 10.行方不明の双眼鏡と石炭庫の火事 11.シェルブールからの乗船客
2.航海二日目 一九一二年四月一一日木曜日
1.クイーンズタウン 2.外洋へ 3.船上でのルーティン 4.客室のアップグレード 5.アンドリューズと乗員たち
3.航海三日目 一九一二年四月一二日金曜日
1.北極のような客室 2.豪華な船内設備 3.無線通信室 4.ボートリスト 5.アンドリューズと乗客たち
4.航海四日目 一九一二年四月一三日土曜日
1.内緒話 2.石炭庫の火災鎮火 3.船上での日々 4.二等客室の乗客ローレンス・ビーズリー 5.通信機の故障と悪夢
5.航海五日目 一九一二年四月一四日日曜日
1.日曜日の礼拝 2.氷山情報 3.新記録 4.気温低下 5.氷山警告 6.ミセス・ライアーソンとイズメイ 7.ナイト・オーダー・ブック 8.変針点
[注]
第三章 大惨事の前夜
[主な登場人物]
1.アラカルト・レストラン
2.天体観測
3.ダイニング・サロン
4.通信業務
5.ブリッジにて
6.衝突二時間前
7.衝突一時間前
8.衝突一〇分前
[注]
訳者あとがき
諸室配置図