どうぞ一品召し上がれ 百花繚乱!英米文学の万華鏡 本書は、英米作家(文筆家)、あるいは、英米の視点からとらえたニッポン文学・文化について、折あるごとに書きしるした文章のなかから三十編ほどを選んで、一冊にまとめたものである。学術論文、随想、紹介記事など、さまざまなジャンルの文章をあつめた雑記帳のようなものであり、いわば、自由きまま「英米文学の散歩道」である。(本書 序から)
【目次】
序
第一部 読みのプレジール[Ⅰ]ロレンス・ダレル
四つのムーヴメント 『アレクサンドリア四重奏』を読む、もしくは「読み」の四重奏
第二部 読みのプレジール[Ⅱ]ヘンリー・ジェイムズ
第一章 演劇的な、あまりにも演劇的な 『ロデリック・ハドソン』必携
第二章 『カサマシマ公爵夫人』必携
第三章 劇作家としての小説家(ジェイムズと「女優」)
第四章 「女優」マギー ジェイムズ『黄金の盃』
第三部 思想のフロンティア
第一章 ウィリアム・ジェイムズの世界
第二章 生成、コンテクスト、多元論 「ウィリアム・ジェイムズの哲学批判」
第三相 「歴史」を診る フーコー、アリエス、セルトーの先駆者ハクスリー
第四章 批評の神様 エドマンド・ウィルソン『愛国の血糊』を読む
第五章 ヘンリー・アダムズのみた「ダイナモ」
第六章 アダムズとピンチョン 横断する知性
第七章 「コルテスの海」、あるいは「複雑系」の海 スタインベック再評価
第八章 『潮風の下に』、あるいは「海の交響詩」 レイチェル・カーソン
第四部 アメリカ文学アラカルト
第一章 はじめてのアメリカ文学(1) ホーソーン『緋文字』
第二章 はじめてのアメリカ文学(2) マーク・トウェイン『ハックルベリー・フィンの冒険』
第三章 はじめてのアメリカ文学(3) アメリカの四大戯曲論を読む
第四章 はじめてのアメリカ文学(4) エドマンド・ウィルソン『アクセルの城』
第五章 はじめてのアメリカ文学(5) ヘミングウェイ「インディアンの村」
第六章 『老人と海』の「クラゲ」
第七章 自伝的な、あまりにも自伝的な トマス・ウルフの「自伝的」という概念
第八章 トマス・ウルフ『天使よ故郷を見よ』における「人間的時間」の考察
第九章 『天使よ故郷を見よ』の世界を旅する トマス・ウルフの母校を訪ねて
第十章 ジャードン・キャッスル エレン・グラスゴー『不毛の大地』の舞台を訪ねて
第十一章 ノーマン・メイラーの「肖像」
第十二章 仕立屋ミラー あるいは、反-「私小説」
第五部 グローバルなニッポン文学
第一章 アメリカ作家のみたミシマ ヘンリー・ミラーを中心に
第二章 日本文学の英訳を読む 川端康成『雪国』
第三章 アッシュヴィルの「ハルキスト」
第四章 ジョン・ラファージの古寺巡礼 京都・奈良を中心に
第五章 二十世紀文学と時間 ニッポン文学編
第六章 福永武彦『風土』補記 和辻哲郎への献本
初出一覧
あとがき