文学の町・オックスフォードの魅力を探る! オックスフォード大学を中心に広がる町は、文学の宝庫だった。多くの詩人や作家を輩出し、出版・印刷の歴史を持つこの地が、文学にどう影響を与えてきたのか。本書は、オックスフォードが生んだ作家たちに光を当て、文学と社会の関係性を明らかにする。さらに、時代とともに変容するオックスフォードの文学的営みを多角的に分析し、その本質に迫る。
第一章 オックスフォード運動とサラ・コウルリッジ
――英国ファンタジー小説の源流を探る..................金津 和美
第二章 〈お伽噺〉の時代のアリス物語
――日本初期の『アリス』翻訳と明治の児童文学..................屋木 瑞穂
第三章 日陰者が目指した「光の都」
――トマス・ハーディ『日陰者ジュード』とオックスフォード............金谷 益道
第四章 オックスフォードからの旅
――『ブライズヘッドふたたび』における疎外と召命..................有為楠 香
第五章 インクリングズのオックスフォード
――英国ファンタジーが生まれた場所.................. 野田 ゆり子
第六章 女性推理作家たちの夢の跡
――ドロシー・L・セイヤーズとジル・ペイトン・ウォルシュ............臼井 雅美
第七章 『鐘』から読むアイリス・マードックの「愛」の哲学........................高橋 路子