研究書 monograph

英語表現の形式における矛盾と伝達効果

著者
田岡育恵 著
英語表現の形式における矛盾と伝達効果
規格
A5版/208頁/定価2,520円
ISBN
978-4-269-77013-3
ジャンル
レベル
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書籍内容 Contents

まえがき

第一章 序論

第二章 逆転when
1. 逆転Whenとは何か
2. 先行研究
3. 逆転Whenはドイツ語にもある
4. 訳における逆転が起こるのは何故か
5. 逆転Whenが前置できないのは何故か
6. 逆転Whenの主節は何故、背景になるのか
7. 何故、When節で背景を表さないのか
8. 逆転Whenは伝達描写の中心である
 8.1 副詞節の申で見られる主節現象
 8.2 逆転Whenのクライマックス効果
9. 逆転When(総括)
lO. 補足−もう1つの後置when,譲歩のwhen

第三章 後続の事態を表すAs節
1. 先行研究
2. 後続の事態を表すAs節
3.「時」のAs節の特徴
 3.1「時」のAs節の一般的特徴
 3.2 後続する事態を表すAs節の特徴
4. WhenとAsの比較
5. 後続の事態を表すAs節(総括)

第四章 Although節の前置と後置
1. Although節の出現形態
2. AlthoughとButはどう違うか
 2.1 Butと前置Althoughの共通点と相違点
 2.2 Butと後置Althoughの共通点と相違点
3. 何がAlthough節の前置と後置を決めるのか
3.1 情報として何が「先」なのか
3.2 前置と後置での解釈過程の違い
4. 独立Although節
5. Although節の前置,後置,独立形(総括)

第五章 Turn Outの意味論
1. Turn Outは「意外な」事態を表すものなのか
2. 先行認識とTurn Outの使用
 2.1 予想していたのとは逆、意外な状況になったことを表すTurn Out
 2.2 ある意味で予想通りになっているTurn Out
  2.2.1 程度が異なる場合
  2.2.2 複数の予想がある場合
 2.3 予想が示されていない,その特定ができないTurn Out
 2.4 Turn Outの使用が先行認識を喚起する
3. Turn Outの意味的特徴
 3.1 回転して違う局面が出てくるイメージ
 3.2 状況の変化ではなく状況の認識を表す
 3.3 状況判明の表現方法
4. Turn Outの3形式
5. 日本語の対応訳
6. Turn Outの用法について(総括)
7. 言語表現の形骸化(Turn Outの場合)

第六章 Happen to不定詞の意味論
1. Happen to不定詞の意味とは何か
2. Happen to不定詞の意味は非意図とは限らない
3. Happen to不定詞の根源的意味
4. Happen to不定詞の様々な用法,伝達効果
 4.1 非意図と解釈される場合
 4.2 稀な事態を表す場合
 4.3 運・不運を表す場合
 4.4 聞き手の注意を喚起する効果
  4.4.1 聞き手の注意喚起による強調効果
  4.4.2 聞き手の注意喚起による唐突さ緩和効果
 4.5 婉曲効果
  4.5.1 丁寧な依頼,相手を義務から解放する思いやり
  4.5.2 自分の望みの実現可能性を低く表す控えめ表現
  4.5.3 自分にとって好ましい状況を一時的だとする控えめ表現
  4.5.4 相手の他意を否定することで相手を悪者にしない思いやり
  4.5.5 自分の意図を否定することで相手への圧力を減らす思いやり
5. Happen to不定詞の用法(総括)
6. 言語表現の形骸化(Happen to不定詞の場合)

第七章 Find+再帰代名詞+補語の意味論
1.「自分の状態に気づく」表現
2. 補語に来るのは「気づくこと」の可能な事態:[+perceptible]
3. 補語に来るのは「驚き」のある事態:[+surprising]
4. 補語に来るのは「意図しない」事態:[-intentional]
 4.1 感情,気持ち
 4.2 感情に駆られて思わずした行為
 4.3 受動的状態
  4.3.1 過去分詞
  4.3.2 過去分詞は用いられていないが,受動的状態
 4.4 思わぬ場所,目前の光景
 4.5 表現から強いられる[-intentional]
 4.6 関連する分類
5. 補語の[+surprising]の度合い
6. Find+再帰代名詞を用いない場合との比較
7. Find以外の知覚動詞が来る場合
8. 言語表現の形骸化(Find+再帰代名詞+補語の場合)

第八章 極限語の程度修飾の原理
1. 極限語の程度修飾は可能か
2. 程度修飾を受けた極限語の意味について
3. 極限語の程度修飾が許される理由
4. 極限語の程度修飾の原理(総括)

第九章 絶対比較級,絶対最上級の原理
1. 絶対比較級,絶対最上級とは何か
2. 絶対比較級,絶対最上級の比較対象について
 2.1 絶対比較級の比較対象
 2.2 絶対最上級の比較対象
3. 絶対比較級,絶対最上級では、何故表す程度が高いとされるのか
4. 絶対比較級,絶対最上級の原理(総括)

第十章 結論
参考文献
あとがき
索引