研究書 monograph

ルイス・キャロル 身体医文化の実相 

著者
平 倫子 著
ルイス・キャロル 身体医文化の実相 
規格
四六判/324頁/定価2,940円
ISBN
978-4-269-72095-4
ジャンル
レベル
--
--

ルイス・キャロルの人間誌
『シルヴィーとブルーノ』二部作に焦点をあて、狂気、メランコリーなどのテーマを身体医文化の問題と捉え、 漱石と重ね合わせてメニッペアの系譜に結びつけた論考。

書籍内容 Contents

一 北イングランドの家族
手紙、ことば /  鉄道、旅 /  叙任、父との確執 /  吃音、呼吸 /  「キャサリン・リヴァースによるキャロルの思い出」

二 メランコリーの諸相
ペン・ネーム、分身 /  笑劇"Away with Melancholy" /  「メランコレッタ」 /  メランコリーの系譜とデューラーの「メレンコリア1」 /  「詩人ハ作ラルルモノニシテ、生マルルモノニアラズ」 /  テニスンを覗いたカメラ・レンズ

三 十九世紀英国の近代化と狂気
ホスピタルの社会史 /  オックスフォード市の動態 /  オックスフォードのルナティック・アサイラム /  キャロルと写真 /  医学と写真 /  二冊の『アリス』に隠された時代の記号としての狂気

四 「木目に逆らって」読む『シルヴィーとブルーノ』二部作
二つの序文 /  キャロルが"Iitteratures"と呼んだもの /  新しい文学ジャンル /  英国心霊研究協会 /  生体解剖(Vivisection) /  第三の投書、「『生体解剖』を解剖する」 /  解剖学者アクランド博士と生体解剖論争 /  木目に逆らって読む『シルヴィーとブルーノ』二部作

五 キャロルと漱石 メニッペアの系譜
ー『シルヴィーとブルーノ』二部作と『坑夫』、『夢十夜』、『三四郎』ー
メニッポスの諷刺 /  一九〇八年の漱石 /  『坑夫』 /  『夢十夜』 /  『三四郎』