研究書 monograph

分詞句の談話分析

−意識の表現技法としての考察−

著者
山岡 實 著
分詞句の談話分析
規格
A5版/192頁/定価2,520円
ISBN
4-269-77028-7
ジャンル
レベル
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書籍内容 Contents

まえがき

第1章 談話分析について
1.1 談話分析とは
1.2 語用論とは
1.3 本書での談話分析

第2章 分詞句の談話分析
2.1 分詞句のこれまでの一般的説明
 2.1.1 懸垂分詞の場合
 2.1.2 分詞構文の場合
 2.1.3 「NP+V-ing句」の場合
2.2 分析対象
2.3 分詞句の談話分析
 2.3.1 物語テクストにおける言語使用の特性
  2.3.1.1 「誰が見ているのか」を決定するもの
  2.3.1.2 「誰が語っているのか」を決定するもの
 2.3.2 物語テクストに固有のコミュニケーションの場
 2.3.3 分析の具体的手順

第3章 分詞句の前置された場合
3.1 懸垂分詞の場合
 3.1.1 三人称物語の場合
 3.1.2 一人称物語の場合
 3.1.3 懸垂分詞の意味機能
 3.1.4 懸垂分詞の存在理由
 3.1.5 説明的テクストにおける懸垂分詞
  3.1.5.1 説明的テクストにおける懸垂分詞の意味機能
  3.1.5.2 まとめ
 3.1.6 懸垂分詞のまとめ
3.2 分詞構文の場合
 3.2.1 三人称物語の場合
  3.2.1.1 分詞構文の動詞が知覚動詞の場合
  3.2.1.2 分詞構文の動詞が行為動詞の場合
  3.2.1.3 分詞構文の動詞が「空間における位置」を表す状態動詞の場合
  3.2.1.4 まとめ
 3.2.2 一人称物語の場合
  3.2.2.1 分詞構文の動詞が知覚動詞の場合
  3.2.2.2 分詞構文の動詞が行為動詞の場合
  3.2.2.3 分詞構文の動詞が「空間における位置」を表す状態動詞の場合
  3.2.2.4 まとめ
 3.2.3 分詞構文のまとめ
3.3 分詞句の前置された場合(懸垂分詞と分詞構文)の談話分析の結果
 3.3.1 懸垂分詞と分詞構文の意味機能について
 3.3.2 <懸垂分詞+主節>と<分詞構文+主節>の連続性について
 3.3.3 <懸垂分詞+主節>間の連続性及び<分詞構文+主節>間の連続性について
  3.3.3.1 <懸垂分詞+主節>間の連続性について
  3,3.3.2 <分詞構文+主節>間の連続性について
  3.3.3.3 まとめ
 3.3.4 懸垂分詞と分詞構文の標準性について

第4章 分詞句の後置された場合
4.1 A,B,C,Dタイプの場合
 4.1.1 主節が語順倒置されている場合
  4.1.1.1 A1タイブ(前置詞句が文頭にくる場合)
  4.1.1.2 A2タイプ(分詞句が文頭にくる場合)
  4.1.1.3 A3タイプ(副詞的小辞が文頭にくる場合)
  4,1.1.4 A4タイプ(thereが文頭にくる場合)
 4.1.2 主節が普通の語順の場合
  4.1.2.1 Bタイプ(主節が出現動詞の場合)
  4.1.2.2 Cタイプ(主節がthere構文を含む場合)
  4.1.2.3 Dタイプ(主節が「空間における位置」を表す状態動詞を含む場合)
  4.1.3 A,B,C,Dタイプの場合の分詞構文の意味機能
4.2 E,F,Gタイプの場合
 4.2.1 Eタイプ(主節が知覚動詞または認識動詞を含む場合)
 4.2.2 F,Gタイプ(主節が「空間における位置」を表す状態動詞を含む場合)
  4.2.2.1 Fタイプ
  4.2.2.2 Gタイプ
 4.2.3 E,F,Gタイプの場合の分詞構文の意味機能
4.3 分詞句の後置された場合(A,B,C,D,E,F,Gタイプ)の談話分析の結果

第5章 「NP+V-ing句」の場合
5.1 「NP+V-ing句」の具体的分析
 5.1.1 知覚行為を示す動詞を含む物語文の後に現れる場合
 5.1.2 コンテクストにより知覚行為が示唆される場面に現れる場合
 5.1.3 過去の事態を想起・回想している場面に現れる場合
5.2 「NP+V-ing句」の談話分析の結果

第6章 分詞句を伴うその他の場合
6.1 単独に用いられた分詞句の場合
6.2 独立分詞構文の場合
6.3 複数の分詞句が続く場合
6.4 分詞句の前置された場合(1)
6.5 分詞句の前置された場合(2)
6.6 まとめ

第7章 分詞句の意味機能と談話機能
7.1 <分詞句+主節>,<主節+分詞句>などの示す事態とその「語り」の様式
7.2 分詞句の意味機能
7.3 意識の表現技法としての分詞句
7.4 分詞句の談話機能とテクスト理解

第8章 他の用法と進行形の場合
8.1 「原因・理由」の用法を表すとされている分詞構文の場合
 8.1.1 三人称物語の場合
 8.1.2 一人称物語の場合
 8.1.3 まとめ
8.2 「継起性」の用法を表すとされている分詞構文の場合
 8.2.1 Aが知覚動詞でBが認識動詞の場合
 8.2.2 AとBが共に行為動詞の場合
 8.2.3 <A,B-ing 構文>の即時的継起性について
8.3 状態動詞の進行形の場合
 8.3.1 「時指示のアプローチ」と状態動詞の進行形
 8.3.2 sit,stand,lieクラスの場合
 8.3.3 look,wearの場合
 8.3.4 まとめ
8.4 まとめ

第9章 語り手の状況把握の日英比較
9.1 <懸垂分詞+主節>構文と日本語の内的独自を反映する物語文の状況把握の比較
 9.1.1 「主観的把握」を裏付ける標識とは
 9.1.2 人称代名詞・過去時制と「主観的把握」
 9.1.3 内的独白としての<懸垂分詞+主節>構文
 9.1.4 日本語の内的独白を反映する物語文
 9.1.5 日英語の物語における語り手の状況把握の傾向性
9.2 日本語の内的独白を反映する物語文と英語の翻訳版との比較
 9.2.1 比較の具体例
 9.2.2 日英語の物語における語り手の状況把握の傾向性
9.3 まとめ

第10章 「視点」の問題と「物語る声」の問題の同時考慮に関する理論的妥当性について
10.1 Chafe(1994)の意識と言語の相互作用
 10.1.1 直接モードの日常会話
 10.1.2 転位モードの日常会話
 10.1.3 転位された直接モードの書き物(書かれた一人称物語)
 10.1.4 自己の転位を伴い,転位された直接性を有する書き物(書かれた三人称物語)
10.2 山岡(2001a)及び本書で提起した論点の妥当性について
 10.2.1 Chafe(1994)の「被表出意識」と「表出意識」
 10.2.2 まとめ

例文の出典
参考文献